山口県阿武町で起きた、一個人に対する4630万円の誤送金問題で新たな事実が判明しました。
なんでも、「インターネット上で金を賭けるオンラインカジノで誤って振り込まれた4,630万円を使い切った」と話したとか。
私はこの問題が発生した時、「外国の投資案件か、仮想通貨かなんかにぶっこんだのかな?」とか思っていましたが、それをはるかに上回る馬鹿っぷり。
いえ、本人は所在不明との事ですから町側が実際にそれを確認できていないわけですが・・・とんでもない事をやらかしてくれたな。というのが当サイト管理者の素直な意見です。
さて、そんな個人的な意見はさておき。実際にオンラインカジノで4630万円もの金額を使い切ることは可能なのでしょうか?当サイトではそこに焦点を当てて調べてみようと思います。
そもそもネットカジノって何?

1.ネットカジノ(オンラインカジノ)とは
インターネット上でスロットやカードゲームを現金を賭けて楽しむことができるゲームサイトの総称です。ネット上では”オンカジ”などと言われる事があります。
本場のカジノ感覚でゲームをすることができるため、日本国内でも非常に人気の高いコンテンツの一つとなっています。特にコロナウイルスの影響で海外旅行ができなくなった昨今、現地に行かずともギャンブルを楽しむことができる手段としてプレイヤーの数は年々増加傾向にあります。
2.どんな会社が運営しているの?
運営はすべて海外の会社が行っており、その多くはオランダ領キュラソーやマルタ共和国など、リゾート業を主体とする国が承認することで運営を行っています。
ご存じの方も多いかと思いますが、日本には2021年7月にIR整備法が施工されており、日本国内では認可された事業者であればカジノ営業が可能になったわけです。
ですが、ネットカジノは日本国内で今のところ認可されたものはありません。
3.プレイするのは違法に当たらないの?
カジノは日本国内の認可されていない事業者が運営した場合は違法となります。しかし、インターネットの中ではつながっている先の国の法律が適用されることになります。
したがって、日本国内から海外のオンラインカジノにアクセスしプレイすることは、現在の日本の法律では違法には当たりません。
オンラインカジノで4630万円使い切ることは可能?

今回の誤送金されてしまった4000万円以上ものお金、これだけのお金をたった1~2週間の期間で使い切ることは可能なのでしょうか?その点について解説していきます。
1.オンラインカジノには利用上限がある
オンラインカジノは海外の運営会社が営業しているものなので、「日本人からお金を巻き上げるのが普通じゃ?」と考える方も多いと思います。
その考え、大部分は当たっています。
還元率がパチンコより高いとはいえ、カジノプレイヤーの大半は負けるようにできているのは間違いない話です。
こういうとまるでネットカジノは極悪非道な会社のような批判的な言い方になってしまうのですが、実際のところネットカジノではギャンブル中毒にならないための独自の課金上限というものが定められています(ないところもありますが)。
具体的には、一か月に5000ドルまでというところが多いでしょうかね。
まあこれは自分で解除できてしまうので、あくまで中毒にならない人の為の予防策です。今回のケースにように、最初から使う気満々の人に対しては、上限なしで受け入れるところがほとんどでしょうね。
2.オンラインカジノの決済手段にも上限がある
オンラインカジノへの決済手段の代表的なものは、
- クレジットカード
- ecoPayz
- iWallet
- ヴィーナスポイント
- 銀行入金
- 仮想通貨
などがあります。
そして、各決済手段には入金上限というものが設定されています。
ecoPayz、iWallet、ヴィーナスポイントといった、ネット決済のサイトからは大体$5000が上限、仮想通貨からであれば$10000といった高額の入金が可能となっています。4630万円はドル換算で約$356,000。
$5000が入金上限となっているサイトでは実に71回も入金と出金を繰り返さなければいけない為、仮想通貨決済や直接銀行から入金できるカジノでないと使い果たすのは難しいかもしれません。
3.オンラインカジノはそんなに数があるの?
本人の話によると、「いろんなカジノに入金して使い果たした」とありましたが、実際オンラインカジノはかなりの数が存在しています。ちょっと思いつくサイトを適当に羅列していくと、
ワイルドジャングルカジノ、インターカジノ、ベラジョンカジノ、ミラクルカジノ、カジ旅、カジノミー、ラッキーカジノ、ラッキーニッキー、BET365、パンダカジノ、KACHIDOKI、チェリーカジノ、ギャンボラ、ネットベット、ウィリアムヒル、カジノシークレット、ユニークカジノ、シンプルカジノ・・・
と、実際には数百種類のカジノがネット上には存在しています。
5000ドルが入金の上限だとしても、遊ぶサイトに困るということは無いでしょうね。
4.これらの事から使い果たすことは現実的に可能か?
利用上限、決済上限、オンカジの数から考えると、4000万円もの大金を使い果たすことは現実的には可能です。1回のバカラ勝負に10000ドルとか賭けることも普通にできますしね。
しかし、可能と言っても4000万円もの金額を使うには、相当な時間カジノに張り付いていけないといけません。ゆうに2週間近くはかかるんじゃないでしょうか?
もしこの誤送金されたお金を、本人のいう通り本当に使い果たしたのだとすると、問題発覚から2週間の間、寝る間も惜しんで遊び続けていたという事になるでしょうね。テレビで見た話から時系列にすると、
- 銀行が誤送金に気づき役所に連絡
- 役所の人が返還手続きをしてもらいに本人宅へ行き説明(この時本人は誤送金に初めて気が付いた)
- 役所の人が本人を乗せて銀行へ手続きに向かう
- 銀行についたら「今日は手続きはやらない」「弁護士に相談する。自分は悪くないという文書を出してほしい」と言い、帰り路で途中下車し銀行から60万円をおろす。
- 職場に「役場ともめているから仕事を辞める」と告げる
- 問題がニュースで放送され全国的な話題になる
- ネットカジノにお金を移して遊び惚ける
- 「返す金はもう無い」「自首して罪は償う」と発言していると発覚し、日本中で大炎上するニュースになる
開いた口が塞がらないとは、こういう時に使うものなんでしょうね。
自分のお金じゃないというのに常識がないとか以前に、狂気の沙汰としか言いようがありません。役所側も早い段階で警察沙汰にしておいた方がよかったんじゃないでしょうかね。まあ役所側のミスが発端だから、大事にしたくないというのがあったんでしょうね。
お金の回収は現実的に可能なのか?

実際のところ、捜査が進んでみないとわからない部分は多いですが、大部分を使っていたとしても、いくらか残っている可能性は十分に考えられます。
4000万円ものお金を使って全負けするなんて事は普通考えにくいです。よっぽど養分にされるのに慣れた人じゃないと無理ですね。それが、1000万なのか300万なのかは分かりませんがね。
どこかに何百万かは残っているのでは?と個人的には思っています。
入金したまま手つかずにしておいて、刑期を終えてから出金しようとしている分があるという可能性もあり得ますね。本人のパソコンやスマホを回収し、アクセス履歴をすべて洗いざらい調べてみた方がいいですね。
1.今回の件、カジノ側はどのように考えるか
入金されたお金は本来、入金した額面以上のサイト内利用をしない限りはカジノ側は出金を許すことはありません。つまり、10万円入金してすぐさま10万円出金することは不可能というわけです。
しかし、今回は本人のお金じゃない。言わば不正で得たお金になるわけですから、犯罪が立証された場合カジノ側はこのお金の返還を認める可能性は高いです。
役所側の要求を拒否した場合、「オンラインカジノは日本国の法に従わない、危険なものである。排除すべき」という認識をされる可能性が高く、結果として日本市場そのものを失う危険性があります。
ただし、それはあくまで日本市場を商売先として見ているカジノ会社の場合です。
オンラインカジノには詐欺まがいの案件も多数含まれていますから、そういったところに入金されてしまっていた場合は回収が不可能になるでしょう。
2.本人がこれから先に返していくことが可能か?
正直、無理でしょうね。
たとえ立件され詐欺罪などで逮捕されて懲役刑になって、民事裁判で賠償命令が出たとしても本人に支払い能力がないとお金が返ってくることはありません。
そもそも、この話の流れを見ていて誠実さのかけらもないのは明らかだと思います。これから数十年をかけて本人が給料の中から支払っていく、というのはあり得ない事だと思います。成人してるからご家族に賠償させるのも無理でしょうしね。
これから待ち受けている事

1.本人の銀行口座が仮差押え処分に
これはすでに行われているそうですが、本人がお金を移した先と言われている2か所の銀行?に、仮差押えの処分が下ったようです。これで本人は安易にお金を銀行から動かすことができなくなっています。気になるのは、ネット上での決済会社のお金が残ってないかですね。ecoPayzやヴィーナスポイントなどの決済会社のサイトは早い段階で押さえておいてほしいですね。
2.刑事事件となり逮捕される可能性
まあATMでおろすか、窓口でおろすか、ネット上で出金指示するかで罪名が変わるみたいですが、刑事事件として立件される事になるでしょうね。
初犯になるかどうかは分かりませんし、決まったことではないから下手なことは言えませんが、額が額だけに懲役刑(10年以下)になるものと思われます。証拠隠滅や逃亡の可能性があると判断されれば保釈も無理でしょうね。
本人は「罪は償う」と自首する意向を示しているらしいですが、世の中には謝って済む問題と、済まない問題があります。そこをはき違えてはいけない。
逮捕となれば全国的に名前が出るという事になります。そしてそれはネット上に永遠に残り続けます。
3.民事裁判で負けて賠償命令⇒終わらない賠償を負う可能性
役所側からは、弁護士費用を含めた5000万円以上の賠償を求める訴訟が出ているそうです。これは役所側のミスが招いたものとは言え、「情状酌量の余地がない身勝手な行動」と裁判所が判断する可能性は高いです。
5000万円もの賠償を、一個人が弁済するのにいったいどれだけの時間がかかるでしょう。今は年収400万円の時代だと言われています。生活するのにもお金がかかりますし、すべてを賠償に充てることはできませんよね。つまり、賠償が終わるのは本人が生きているうちには無理だろう。と思いますよね。
4.オンラインカジノが禁止される可能性
今回の一件は、あくまで個人がやってしまった事が発端とは言え、オンラインカジノという存在の危険性を世の中に知らしめてしまった案件となってしまいました。
もしかしたら国会などで審議され、アメリカなどと同じようにオンラインカジノに関する禁止法案が出てくる可能性もあります。私たちオンラインカジノのサイト管理者にとって、最悪の結果をもたらす結果となるのかもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか?今回の山口で起きた誤送金問題についていろいろとお話ししてみました。最後に私に言えることはただ一つ。
少しでも(できれば全額が望ましいが)、公のお金が本来使われるべき場所に戻ることを心から願っております。これは、オンカジ運営会社、サイト運営者、そしてカジのプレイヤーたちの望みだと信じています。
この記事があなたの参考になれば幸いです。